読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

まほろばで束の間の休息

医学生・若手医師向けに書いていきます. 優秀とはいえない仲間たちへ.

【医学生、研修医向け】問題解決の方法を知っているかい。

パラダイム・シフトを起こした一冊の本

学生時代に読んで最も衝撃を受けた本です。

これは知識を与える本ではなく、問題を解決する方法を教えてくれる本です。 

 

神戸大学感染症内科版TBL: 問題解決型ライブ講義 集中!5日間
岩田健太郎
金原出版
売り上げランキング: 352,617

神戸大学の4年生へのレクチャーを文字起こしにしたもので、とても読みやすいです。4年生とは思えないほどに学生たちがハイレベルになっていく様子がわかります。

タイトルには感染症内科とありますが、これはもう臨床医学全般に適応できる金言が揃っていると約束できます。

 

情報に重み付けをする

私の学生の頃はキーワードを詰め込む勉強がメインで、それ以上のことは想像もつきませんでした。

たとえば心筋梗塞。突然の前胸部絞扼感。背中、左肩に放散。心電図でST変化。心筋マーカー上昇。2時間くらいでミオグロビンがあがってきます。とかね。

 

では、医師になり、実際に胸の痛い患者さんに相対することになります。

「胸が締め付けられるように痛くなってきて30分経った今も痛いです。でもだんだんよくなって来ました。」心電図は正常、心筋マーカーも上昇していない。

こういうことってままあります。そういうときに、この人にどれだけ緊急疾患"らしさ"があるのか判断する必要があります。

どういう情報があればこの患者さんの問題をより正しく解決してけるのか。情報の種類や重さを理解していなければなりません。 

 

この本に登場する学生は先生から、

それはどれくらいの割合の人に見られる症状?

その検査で何がどのくらい変わる?陽性なら診断できる?陰性なら除外できる?

論文には◯◯と書いてあります、というけれど、論文中の患者さんってどんな人?目の前の患者さんに本当にその情報を適応できるの?

というようなことをガンガン尋ねられます。

 

情報に重み付けをして、うまく引き出し、いまここにいる患者さんの問題を解決していかないといけない。

そういう価値観があると知らせてくれたのがこの本でした。

それからは尤度比、感度/特異度、論文のmethodなど、大切にしようと思うことが変わっていきました。

 

以降、岩田健太郎先生の本を読むようになりましたが、私はこの本がいちばんお気に入りです。

Amazon アソシエイト・プログラムアソシエイト・プログラムに参加しています